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コワーキングスペースの引力(2)

16 11月 2011 1,092 views One Comment

コワーキングとコミュニティ、コワーキングとソーシャルメディア

New Work City創業者トニー氏が来日したときの様子をWebで見る限り、「コワーキングとは、コミュニティがもっとも重要な要素である」という趣旨の発言が繰り返しされていたようです。

トニー氏「コミュニティとは何か?その本質を答えるなら『参加』と私は言います。コワーキングに集まる人々が仕事をして帰るだけなら、私は失敗だったと考えるでしょう。彼らがそこから最大限のものを持ち帰るようにしたい」 http://t.co/Zxw1ZfP #coworking_jp
@gine_joybox
永田賢介(ジン)

トニー氏の登壇するイベントにも、コワーキングスペースでのセッションにも参加できなかったわたしは(カンヅメになってました(笑))、泣く泣くTwitterで流れてくるレポートをチェックしていたのですが、「うまいことを言うなあ。さすが、米国人はプレゼンの話が上手だなあ」
…なんて、感じたのを覚えています。しかし、そういうニュアンスじゃないんですね。現場に足も運ばず、バカな曲解をしてしまってました。トニーさん、ごめんなさい。

いろんな人たちにお話を伺い、コワーキングのネットワーキングに参加してみてわかりました。
「コミュニティ」はコワーキングスペースがコワーキング=協働の場であるためのシカケそのもの。
美辞麗句でもなんでもなくて、その活動を回すエンジンそのものなんですね。

コミュニティのない場所に自律的なコワーキング(協働)が生まれるわけがありません。
電源とWi-Fiを提供するだけの場所ならば、雰囲気作ってみてもネットカフェです。
では、ネットワーキングパーティを開けばいい? いえいえ、どんな人が集まるかわからない異業種交流パーティは、コミュニティを作るためのキッカケになることはあっても、そのものがコミュニティにはならんのです。

  • 参加者が自律的に参加・退出することのできる空間がある。
  • 参加者どうしが対話するためのモデレーター役、キッカケ、雰囲気、文化がある。
  • 参加者がその場にふさわしい知り合いを連れてきて参加させることができる。
  • 新たな参加者を迎え入れ、必要に応じて導入介助をしてくれる人がいる。
  • 参加者は、自分の利益だけでなく他の参加者や全体の利益を意識して動く。

すぐれたコミュニティや活性したコミュニティにはこうした条件が備わっています。
実際、時間や距離の制約がないネット空間……とくに誰もがコミュニティ空間を構築できるソーシャルメディアの上には、日々新しいコミュニティが次々と生まれて、盛り上がっています。

ソーシャルメディア上のコミュニティでつながった人たちが、「いっしょに、会って話をする」ために集まる場所がコワーキングスペースなのだ、と考えると、すごくすっきりします。

コワーキングスペースの開店ラッシュがTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアのブームの直後にやってきているのも、なるほどと思えます。

実際には話はそんなには単純ではないのでしょうが、コワーキングスペースとソーシャルメディアが切っても切れない関係にあるのは、コワーキングスペース利用をしている方なら誰もが実感していることでしょう。

セレンディピティ体験

カフーツ・伊藤さんとのミーティングが、まさにこれにそっくりでした。伊藤さんとは、わたくし、Facebookの『コワーキングJP』グループのスレッドで知り合いではありました。ただ、時々遠慮がちに「いいね!」を送ったりするような関係。しかしあるキッカケがあって何度かメッセージをやりとりさせていただき、原宿で初めてお顔合わせしたのです。

ソーシャルメディアの上ではお互い遠慮がちだったわけですが、“コミュニティ”というコンテクストのおかげで、初対面から親近感を感じてしまいます。
そして話し始めると、話題は思わぬ方向に加速し、思わぬところに共通の知り合いが見つけ、思わぬ着地点が見つかり、思わぬコワーキングの種が生まれました(実行していませんが:笑)。
 
コミュニティのコンテクストを「縦糸」とするならば、その上で参加者同士が対面して対話しリアルな活動によってコミュニティを活性・拡大する作業は「横糸」と言ってよいでしょう。縦糸と横糸が織をなすと、「深いご縁」を感じてしまったりもします。コワーキングスペースでは、こうした「セレンディピティ体験」がよく観測されているようです。

さらに日々コワーキングスペースで会って対話を重ねるうちにその「ご縁」が「特別な連帯感」や「特別なチームワーク感」に深化してゆくようです。
その場に集まっただけの人たちのはずなのに、まるでなにかに導かれたかのようだと感じるのは、実はコミュニティが持つ自己組織化のチカラをうまく使っているからなのでしょう。
そしてこの不思議で神秘的なチームビルディング力が、コワーキング体験者を惹きつける理由ではないでしょうか。

コワーキングスペースとシェアオフィス・レンタルオフィスが異なる点があるとすればここだと思います。
(※トニー氏のコメントは @gine_joybox さんのTweetを参照させていただきました。御礼!)

ちょっと蛇足になりますが、ここで「コミュニティ」を「生態系」と言い換えると、ビジネス生態系の研究書籍~「キーストーン戦略(Harvard Business School Press)」に驚くほど一致するお話になります。コワーキングスペースの運用をビジネス生態系を維持する活動である、と読み解くと、この書籍、コワーキングスペース運用の教科書として使えると思います。
コワーキングスペース管理者のみなさまにおすすめです(笑)。

…ああ、(2)でも足りなくなりました。。。。(3)に続きます。。。

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